レインコートやジャンパーには、耐水圧〇〇mm!って表示がされています。ただ、この耐水圧が何を意味しているのか?よく分からない人も多いようです。
こうして記事を書いている私もその一人でした。
耐水圧?水圧に耐えられる力が何故、レインコートやジャンパーで必要とされているのか?
そこでガッツリ調べてみた結果、それをそのまま伝えると、結局よく分からない状況を誘発しそうなので、出来るだけ分かりやすく伝わるように噛み砕いてみました!
Contents
耐水圧とは?レインコートになぜ耐水圧が必要なの?
大前提として、耐水圧が何を表しているのか?まずはこの点から触れていきましょう。
耐水圧とは、文字通り水圧に対する力のことです。
しかし別に、レインコートやジャンパーを水の中に沈めて、どれぐらいの水圧に耐えられるのか?を表すものではありません。
レインコートやジャンパーなどの衣類に使用される耐水圧とは、素材である生地がどの程度、水の圧力に耐えられるかを測る数値です。
JIS規格の設定
耐水圧の数値はJIS規格により設定され、レインコートやジャンパー生地の上に1cm四方の柱(以下、A)を立てて、そこに水を注ぎ、圧力をかけた結果、どれくらいの圧力まで耐えられるのか?裏側に水がもれないか?を数値で表した物です。
Aは中が空洞で、長細いコップや花瓶をイメージして下さい。そこに水を注ぎます。
この耐水圧テストをややこしくするのが、注ぐ水の重さや量を測るわけではなく、Aの高さがどの程度になるか?でで測る点。
耐水圧1000mmであれば、1000mmの高さの水柱を立て、上から適当な圧力をかけても、裏から水がもれない耐水性を表します。
イメージしてみると、水の総重量は軽く、大した圧力がかかっていないと思うかもしれませんが、1cm四方の一点集中で圧力をかけるのですから、レインコートやジャンパーの生地にしてみれば、なかなかの圧力でしょう。
耐水圧が設定されている身の回りにある物について
こうして設定される耐水圧。傘からテントまで様々な物に設定されています。
例えば、傘は200~500mmが一般的です。
あれ?全然耐えられないじゃないか!って思いましたか?
ただ考えてみて下さい。雨って降ってきても、そこに留まり続ける訳ではないじゃないですか。傘の傾斜を伝って地面に落下します。
雨粒一つの重さはたかが知れています。そこに風力や重力加速度が加わっても、体積が何倍にもなるわけではありません。
逆に空から落ちてくる際、空気による浮力の影響を受けるため、落下速度が調節されます。
もし仮に、雨粒が一列のレーザービームの様に降ってきたら、恐らく傘を貫通するでしょうけど、無数の雨粒は合体することなく、それぞれが単体で傘の上に降り注ぐわけですから、200~500mm程度の耐水圧設定でも耐えられます。
ちなみに雨が及ぼす水圧がどれくらいか?それが分かる設定があります。しかし、どうにもその数値を見ると、分かりにくくなってしまうと思います。
- 嵐 |20000mm
- 大雨|10000mm
- 中雨|2000mm
- 小雨|300mm
小雨の水圧が300mmであれば、大抵の傘は水が漏れてきます。しかし実際、そんなことありません。
この小雨なら、300mmの水圧があると言う数値、色々なところで見かけるのですが、一体どういうことなのか?
調べました。
雨の水圧は雨量に関係しており、1時間あたりどの程度の雨が降るか?から水圧が導けます。
小雨の雨量は、1時間あたり1mm程度の雨量です。雨が降ってきたと感じる程度の雨です。
中雨を表すのは、1時間あたり5~10mm程度の雨量です。雨だ!と、はっきりと認識でき、嫌に感じる雨です。
そこからさらに雨量が大きくなり、1時間あたり30mmぐらいの雨量を記録すると、土砂降りと言っても差し支えないでしょう。大雨として認識できます。
と言うことは、1時間あたり50mmを超える様な雨量だと、かなり危険なレベルです。100mm/hになると、水害被害が発生するクラスです。
これで雨に対する耐水圧もだいぶ分かりやすくなりました。
つまり普通の傘をさし、小雨の中、1時間程度歩いていると、じっとりと傘全体に雨が染み込んでいるように感じることでしょう。
結果、雨の水圧とレインコートやジャンパーの耐水圧を、同列に語るからややこしいと言うことも分かりました。
テントを買う際もこの雨の水圧は参考になると思います。
防水圧と耐水圧の違いは?雨具を買う際には知っておきたいポイント!
さて、最後にこちらもレインコートや、ジャンパーの説明書きによく見る防水性と、今まで解説してきた耐水性との違いについて触れていきましょう。
防水性とは水を防ぐ力
防水とあるように、これはレインコートやジャンパーの生地に、水が染み込むことを防ぐ力です。これがあると、雨具の下に来ている衣類が雨に濡れるのを防ぎます。
ここまで書くとお分かりだと思いますが、防水力と耐水力とは同じことを指しています。
どちらも生地に水が染み込み、裏側に漏れ出すのを防ぐ力となっています。
このことから、今後レインコートやジャンパーを買う際、防水機能付きと言う言葉を見たら、耐水圧からどの程度の水圧に耐えられるかが分かります。
恐らく、防水性をメインに商品説明が行われていることでしょう。しかしその防水性は、どの程度の力なのか?耐水圧を見て判断し、自分が使いたい環境に適さないのであれば、別の商品を探すことが出来ます。
耐水圧についてのまとめ
ここまで耐水圧について解説してきました。最後に商品選びのコツをご紹介します。
レインコートやジャンパーを買う際、耐水性を重視しすぎるのも考えものです。何故ならば、それが全体の評価に繋がらないからです。
様々な素材が一つになって、レインコートやジャンパーを作っています。
これにより、雨に強い生地で作られた雨具だってありますよね。その為、レインコートやジャンパーを購入する際は、生地の性質も吟味してご購入して頂けましたら幸いです。